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映画「楽園」

2019.10.23 06:50|GO
試写会はすべて外れたので、公開されてから、とりあえず2回見てきました。

感想は長くなるので、まず、ビジュアルから。
紡が笛を選んでいる間、店の外で待っている綾野剛さんの横顔の美しさ
シュッと高い鼻、長い首のライン
比べてはいけないのですが、上映前の予告のラブストーリーに主演されていた
いい男として数多くの作品に出演している方の横顔が
顎から首元までくびれなくまっすぐに続いていて、エ?という感じだったので、
それと重ね合わせてしまいました。

年齢を重ねれば仕方ないとしても、彼より3歳上のエレカシの宮本さんだって、
さらに8歳上の佐藤浩市さんだって、ちゃんとくびれはあるのに。
剛さんには、この首のラインをできるだけ長く保ってほしいと思いました。

「犯罪小説集」は短編集なので、1つだけで2時間前後の映画にするには間延びしてしまい
「青田のY字路」「万屋善次郎」の2つを合わせたのは正解だと思います。
綾野剛さんの出演シーンが少ないのが剛さんファンとしては残念ですが作品は素晴らしかったです。
瀬々敬久監督と佐藤浩市さんは同い年ということで
「万屋善次郎」のほうに思入れが強かったのかもしれません。
瀬々監督は京都大学哲学科卒業ながら、最初はピンク映画など手掛けていたそうで
善次郎と久子の濡れ場は必要なのかという疑問も、監督としてはちょっと遊びたかったのかなと。

最も印象的な言葉は、愛華ちゃんの祖父五郎が発した「誰かが罪人になれば丸くおさまる」
自分に火をつけた豪士をみて「焼け死んでくれ」と願ったと言います。
これは中世の魔女裁判にもつながるかもしれません。

古代ユダヤ教では「燔祭」といって神へのささげ物として雄牛・羊などの動物を
石造りの祭壇で丸焼きにして供えていました。

吉田修一さんが最後の豪士がキリストに見えるとおっしゃっていました。
キリストに例えるのは恐れ多いことですが、
花の冠を被った豪士と茨の冠を被ったキリスト。

この方こそ、わたしたちの罪、いや、わたしたちの罪ばかりでなく、全世界の罪を償ういけにえです。
(新約聖書 ヨハネの手紙一2章 02節)


いけにえであるなら燔祭として焼きつくされなければならないのです。
豪士の焼死には、そういう意味が込められているのかもしれません。

久子の息子と、2回くらい登場するどこかの少年。
二人には何の意味があるか考えました。
子供は大人を見ているぞ

最近、教師のいじめ問題が明るみに出ました。
生徒のお手本となるべき教師の体たらく
この後、子供たちのいじめも増えたと聞きました。
誰も、諭すことができない状況になってしまいました。

さて、犯人探しではないですが、「犯罪小説集」というからには
「青田のY字路」にも犯人がいるのでしょう。
はっきり誰とは書かれていませんが、映画と同様のシーンで小説は終わります。
豪士が「やった」のか「やらなかった」のか

綾野剛さんは「やってない」スタンスで芝居していると言ってます。
初めて自分に笑顔を向けてくれた愛華ちゃんを永遠にしたいとは思ったけれど
あの花冠を返したいという思いで愛華ちゃんを追っていたと。

瀬々監督は「やってない」と。
映画「64」では原作と犯人を変えてしまったくらいの監督ですから
その目線で撮影していたのかもしれません。
ちなみに佐藤浩市さんは「やっている」と言っています。

愛華ちゃんのランドセルは発見されても遺体は12年経っても発見されていないのです。
紡と愛華ちゃんが別れた午後3時から、豪士が藤木家に来る6時半までの3時間半で
どこまで遺体を隠しに行けるでしょうか?
あれだけ捜索してるのですから置いてくるだけでは見つかるはず
掘って埋めるとしても豪士の衣服に、泥汚れなども見られません。
ラスト近く、紡が街中で「愛華」という声を耳にして振り向くと
少女のころの愛華ちゃんと似た女性を目にします。
目元などよく似ていて、よく見つけてきたなと感心します。
愛華ちゃんは誘拐されて生きていたのかもしれません。
青い車で子犬のレオを捨てに来た人なら連れ去ることもできます。

「人生の楽園」という番組があります。
都会からUターン、Iターンしてきた人たちが地方で
手作り野菜や釣ってきた魚、育てている動物などを使い
お店や民宿の経営をしています。
ずっと住んでいる人たちの助けもあり、仲良くやっていそうですが、
誰もが上手くいくとは限らないのでしょう。
住み続けていた人たちの言い分もあるし、無礼な移住者もいるでしょう。

東京でも、台風の避難所でホームレスが断られたといいます。
許容量の1.5倍の人数になり、その地域に住所のない人がはじかれました。
居場所のない人たちはどこにでもいます。
今の自分に感謝し、剛さんのいうように、他人に優しくしていけたらと思います。

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